予防接種のスケジュールと特徴





 10年前とは比べものにならない位に小児の予防接種の種類が増えました。乳幼児期の早期に罹ると重症化が心配される病気のワクチンが殆どで、好ましい措置ですが、全てが接種を受けやすい定期接種ではありません。現在もロタウイルス・水痘・おたふくかぜワクチンなどの重要なワクチンが未だに有料の任意接種であり、一日も速い定期接種化が待たれます。
日常よく質問を受ける予防接種のスケジュールを「日本小児科学会の考え方」を基に作成しました。接種時期、間隔、注意事項を表中に書き入れました。接種時期が重なるワクチンは同時接種が可能です。また、生ワクチンを接種してから次のワクチンまでは27日以上の(28日目〜)、不活化ワクチンから次のワクチンまでは6日以上(7日目〜)の間隔をあけて下さい。定期接種の時期は地方自治体により多少異なります。このページは金沢市のスケジュールですが、他の地方自治体でも大きな違いはありません。
 これらのワクチンは全て小児科診療所が行っています。

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの標準的接種期間、注意事項  (金沢市の定期接種に合わせて改編)

ワクチン 種類 乳児期 幼児期 学童期 16歳以上
6週 2ヵ月 3ヵ月 4ヵ月 5ヵ月 6-8 ヵ月 9-11 ヵ月 12-15    ヵ月 16-17 ヵ月 18-23 ヵ月 2歳 3歳 4歳 5歳 6歳 6歳 7歳 7 ・ 5歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 13歳以上
インフルエンザ菌b型 (ヒブ) 不活化 @ A B (追加)C 初回接種が2〜6ヵ月の場合は@-A-Bの間をそれぞれ3-8週あける。B-Cの間は7〜13月あけ、かつ1歳を越えたら接種。初回接種が7〜11ヵ月の場合は@-Aからおおむね一年後に追加C(Bをはしょる)。  初回接種が1〜4歳の場合は@のみ。
肺炎球菌(PCV7) 不活化 @ A B (追加)C 初回接種が2〜6ヵ月の場合は@-A-Bの間をそれぞれ27日以上あける。B-Cの間は60日以上あけて1歳〜1歳3カ月で接種。 初回接種が7〜11ヵ月の場合は@、Aの接種後60日以上あけ、かつ1歳以降に追加C(Bをはしょる)。  初回接種が1歳〜23ヵ月の場合は@-Aの間を60日以上あけて2回接種。2歳以上5歳以下の接種漏れ者は@のみ接種。
B型肝炎(HBV) 不活化 @ A B @-Aの間は4週、@-Bの間は20-24週。Bの1〜2ヵ月後を目安にHBs抗体が獲得されていない場合はCを考慮する。
ロタウイルス @ A 生後6週から接種可能。ロタリックス(1価ワクチン)は4週以上の間隔をあけて2回、生後24週までに完了すること。
四種混合(DPT-IPV) 不活化 @ A B (追加)C (7.5歳まで) @-A-Bの間はそれぞれ20-56日あけて、B-Cの間は6ヵ月以上 あけて、標準的にはB終了後12〜18ヵ月の間に接種。                               定期接種としては7.5歳(90ヵ月)までに完了すること。
三種混合 不活化 @ A B (追加)C (7.5歳まで)
ポリオ(IPV) 不活化 @ A B (追加)C (7.5歳まで)
BCC @ 定期接種として3〜12ヵ月未満に、標準的には5-8ヵ月未満に接種。結核の発生状況によっては定期接種以外の期間にも任意接種可。
麻疹・風疹(MR) @ A 定期接種は@:1〜2歳未満。 A:5歳以上7歳未満。これ以外の年齢層も任意接種可。
水痘 @ A @:1歳以上で早期に接種。予防効果を確実にするために、2回接種が必要。 Aは3ヵ月以上あけて、2歳までに接種することが望ましい。
おたふくかぜ @ A @:1歳以上で早期に接種。予防効果を確実にするために2回接種が必要。Aは5歳以上、7歳未満に接種することが望ましい。
日本脳炎 不活化 手続きすれば, 1歳半から定期接種可能。 @ A 追加B 第1期 (7.5歳まで) 第2期C 9-12歳 @、A:3歳で。@-Aは6-28日の間隔。B:Aより1年あけて4歳が標準、7.5歳(90ヵ月)までに完了すること。 第2期C:9歳以上、13歳未満に接種。 表下の注記参照。  
インフルエンザ 不活化 毎年(主に10〜12月に)2回接種。 1回接種。
二種混合DT() 不活化 @ @:定期接種11歳以上13歳未満(小学6年生)。
ヒトパピローマウイルス(子宮頸癌 HPV) 不活化 ワクチン後に比較的多く疼痛が見られたことから厚生省は積極的な勧奨をしないが、定期接種可能。なるべく受けることを奨めます。 @-A-B
12〜16歳(小6から高1相当)に一年以内に3回接種。@-Aの間は2ヵ月(少なくとも1ヵ月以上)、@-Bの間は6ヵ月(少なくとも3ヵ月以上)あける。

注) ・ 生ワクチンの接種後、次のワクチンは27日以上(28日)あけて接種します。 不活化ワクチンの接種後、次のワクチンは6日以上(7日)あけて接種します。
   ・日本脳炎ワクチンは2005年5月からの積極的勧奨の差し控えを受けて、特定対象者(平成7年4月〜平成19年4月1日生)は20歳未満まで定期接種の対象となる。手続きが必要。
  定期接種の時期は市町村により多少異なります。


生ワクチン 不活化ワクチン 定期接種 任意接種 定期接種の推奨期間 任意接種の推奨期間 定期接種の可能期間 任意接種の可能期間


コメント : 生後6週間で速やかにロタウイルスワクチン(ロタリックス)を受けることを勧めます。優先度第一位です。